JARL NEWS感想
JARL NEWS春号に「HF帯にチャレンジしよう!(前編)」という記事が載っています。自称“HF帯CW移動運用の鬼”から言わせていただきますと、この記事、入門者が本当に必要な情報が抜けている気がします。紙面の都合による制約もあるでしょうけど、正直言って物足りないです。後編ではフォローがあるのかな?
感想を書いてみます。
1. HFの電波は10Wでも世界に飛ぶんだよ
これは本当です。ただ、電離層に頼るなら、いろいろなテクニックを駆使して「飛ばす方法を開発する」ことが必要です。ここに「考える楽しみ」「作る楽しみ」「交信できるか試してみる楽しみ」があります。何度も書いていますが、私の免許状は最大空中線電力10Wで、2007年の1年間で17,450QSOしています。大部分が電信、という限定付きですが。(“大移動”に限定して50Wを予定しています…これについては後日 Hi)
2. 現行HFトランシーバースタイルチャート
ここに載っている機器(新品)は価格が概ね10万円以上ですので、若いハムの方は「欲しくても容易に手に入らない」状況も少なくないと思います。例えばパソコンの場合、Windowsが動かないような古~い機種では実際には役に立ちませんが、アマチュア無線ですと、どんなに古い無線機でも、正常に動作すれば交信できます。故障などのリスクはありますが、HFを新たに始める場合、中古無線機を安価に入手することも検討に値すると思います。
3. 海外の新バンドにも目を向けよう!
これ、国内で開放されたら私も運用します(笑)。入門向け記事には不要な情報なのでは? それより、SSBの運用に興味を持った方向けにより詳しい情報を載せて欲しいものです。
4. 良く飛ぶお手軽アンテナのコツ
この章の内容は非常に物足りないです。打ち上げ角について説明が偏っている点が特に不満です。
(1) 国内向け移動運用では、「打ち上げ角の高いアンテナ」の方が強い電波を飛ばせる場合が多くあります Hi
(2) 単に「多くの局・地域と交信する」ことを目的とするのなら「特定のバンドについてアンテナの性能を上げる」より「多くのバンドに簡単にQSYできるようにする」方が手っ取り早いです。
(3) オートアンテナチューナーが紹介されていますが、私はこのようなものは使わずにバンド毎にローディングコイル(全て自作)を切り替えてマッチングを取っています。なぜかと言うと、この方が受信能力が格段に良いからです。
(4) 打ち上げ角の解説よりも「HFのアンテナは自作できる」「こんな場所に張ったアンテナでも交信できる(笑)」の方が初心者向けには役立つ情報でしょう。
5. 子供たちが自由に国内交信を体験させられればなぁ…
「アマチュア無線の免許を持たない子供たちが一定の条件で運用が許可されること」に私は反対です。(スクールコンタクトは、アマチュア無線とは目的が違うと解釈しているので賛成です。)免許を取るために努力して勉強をしているうちに、見学や説明では知ることのできない様々な知識が身につき、さらに興味を持つようになる…という意味で免許は大切だと思います。
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