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2012年8月29日 (水)

バッテリー並列使用の長所と短所

無線機の電源として、バッテリーを並列使用することについて以前に説明しました。基本的には、バッテリーを2個並列にすると、端子電圧が低下(=無線機の出力が低下)するまでの時間が延びると考えられます。

ところが、2個並列は、使い方によっては短所もあることが分かり、状況によってはバッテリーを1個ずつ交互に使うように変更しました。その方法を説明します。

2個並列使用の長所は次の通りです。

  1. 1回使い切り型(運用中に充電しない)使用であれば、端子電圧が高い状態を長時間保つことができる。
  2. 昇圧コンバータを使い、端子電圧の低下が影響しない使用であれば、2個並列にして1個当たりの消費電流を少なくすることで若干の容量の増加が見込まれ、内部抵抗の影響も小さくなる。

しかし、次の短所もあります。

  1. いったん端子電圧が低下すると、充電して端子電圧を回復させるまでに時間がかかる。

Batt_para移動運用に2個の無線機用バッテリーを持参して並列使用すると、車のバッテリーからDC-ACコンバーターと充電器を通して充電を行いながら、無線機に電流を供給するフローティング方式を使用することになります。これには次の短所があります。

  1. 充電器のスイッチングノイズが、電源ケーブルを通して無線機に直接混入する。
  2. フローティング方式の場合、充電としての効率が悪く、電池の容量が次第に減っていく。

私が使っている充電器は最大5Aです。これ以上の電流を供給すると、車のバッテリーに負担がかかり、エンジンが起動できない危険性が高くなります。この充電器を使ってフローティング方式で50Wの長時間運用すると、充電が追いつかなくなります。

そこで、2個のバッテリー(50Ah)のうち、残容量の大きい(無負荷時の端子電圧が高い)方を無線機に接続、もう一方を常時充電にして、2個のバッテリーを残容量に応じて入れ替える方式に変更しました。これにより、充電器からのノイズが少なくなり、充電の効率も良くなりました。

車のACCキーをONにする(シガージャックに電源を供給する)と、カーナビなどが動作してノイズを発生する上、それらの消費電流が無駄になります。そこで、車のバッテリーとDC12V-AC100Vコンバーターを直接接続する専用ケーブルを製作し、それを通して運用中に常時充電しています。赤黒平行コードの片方に充電用クリップ、他方にシガージャックを付けたもので、念のため中間に10Aのヒューズを入れています。

エンジンを起動していない時の充電電流は2Aに抑えています。この条件でバッテリー上がりは一度も発生していません。また、DC12V-AC100Vコンバーターは、車のバッテリーの電圧が低下すると警告音を鳴らすように設定してあります。走行中は充電電流を5Aにします。車から長時間離れる時や、仮眠の時には、充電器を必ずOFFにしてください。

この方法により、ノイズと電圧低下の両方の問題が解決しました。

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