センター試験の出題ミスを実験で検証
センター試験の出題ミスを実験で検証してみました。
鉄の棒が手に入らなかったので、トランスに使う珪素鋼板を重ねた物で代用。0.3mmのポリウレタン線を1次側200回、2次側100回巻きにします。1次側にAC10Vをかけると2次側に5V出るのがセンター試験の正解。さて、結果は…。
棒状の鉄心では、なんと0.4Vしか出ません。これがもし4Vなら、まぁ誤差の範囲か?と解釈もあり得ますけど、1桁違うのですから誤差としては認められません。手元にあったE字型の鉄板をうまく近づけ、磁気回路を作ると2V程度までは出せます。でも、5Vにするのは難しい…。実験用のガッチリした鉄心できちんとループを作ると、ほぼ5Vが出るそうです。くどいようですけど、棒状鉄心だけでは、いくら工夫しても5Vは出ません。
大学入試センターさん、この問題は脳内実験ですか (゜д゜)ハァ?
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コメント
2/5の中日新聞朝刊に出ましたね。
>脳内実験ですか ?
作問者も校正者も「机上」の作業でしょうね。
これは物理に限らないことだと思います。
今回世界史でも怪しい問題がありましたが、
「選択肢の中で正解と考えられるものは1つしかない」という理由で、某予備校が要求した訂正や削除は却下されています。
(本問題はその予備校も見逃していますが・・・)
「おかしいぞ」と思いながら、
無難な答え「5V」をマークした生徒が大半のようです。
(何の疑問も持たなかった生徒もいましたが)
定期試験などで「アホ」な問題に対して、出題者の意図を読み取って答える練習ができている受験生は冷静に対処したと思います。
勿論、こんな問題がまかり通るのは×ですけれど。
投稿: JH2CMH | 2007年2月 5日 (月) 08:10
今回の間違いの起きた原因を考えてみました。
一般的な物理の参考書によると、
「相互誘導」の項で
① 軸の一致した2つの空芯コイルを並べる
② 2つのコイルに1本の鉄芯を通す
③ ②の鉄芯をリング状にする
の3つの図が載っています。
(今回の問題は②の図ですね)
一方「変圧器」の項では
リング状の鉄芯に1次コイルと2次コイルを巻いて、「『理想的な変圧器』では1次側と2次側の電圧の比は1次コイルと2次コイルの巻き数の比に等しい。」
となっています。
多分、変圧器の問題を作りたかった作問者の頭に浮かんだのが相互誘導の図だったのでしょう。
授業時間数が圧縮されている現状では、「実験をせずに知識だけ教えること」で教師側を批判することはできません。
しかし、変圧器の問題を作るときにその基本的な形が浮かばなかったことはお粗末としか言いようがありません。
投稿: JH2CMH@職場 | 2007年2月 5日 (月) 19:15
中日新聞に載っていた方が私の恩師です Hi
今回幸いだったのは「最も近い選択肢」と解釈すると
正解は1つしか考えられないので、
その点では解答者の混乱が無かったことです。
(作問者の意図か、偶然かは分かりませんけれど)
この問題については、まだセンターからの返事は無いそうです。
投稿: JO2ASQ | 2007年2月 5日 (月) 19:54