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2010年9月29日 (水)

12V鉛蓄電池用充電器の製作

Charger_ver21Charger_ver22リグの電源として12Vの鉛シール蓄電池を使っています。28Ahが3個、22Ahが2個を運用時間に合わせて持っていきます。バッテリー上がりが怖いので、車のバッテリーから電源を直接取ることはしません。

この方法では、充電方法が問題となります。

初期の頃は、15Vの定電圧電源で充電していました。これは時間がかかります。完全に使い切った蓄電池では2日以上かかることも。大移動では充電が間に合わず、運用途中での電池切れ頻発は悩みの種でした。

カー用品店等で、バッテリー用の充電器が出回っています(例:秋月電子通商)。しかし、高価であり、機能も限られます。

そこで、次に示すような自作の充電器を使っています。充電が終わると自動でOFFになり、過充電の心配がありません。車載時にはDC12V-AC100Vの変換器を通して、走行中でも充電ができます。

Charger_ver2

回路はトランジスタを使ったヒステリシス回路で、蓄電池の電圧が15V以上になるとリレーが動作し、充電OFFの状態を保持します。充電開始スイッチを押すと、再び充電を開始します。「隠しLED」は動作を確実にするため、リレーと並列に入っている大容量のコンデンサは出力開放時にリレーが「ブー」と鳴ることを防ぐためです。

トランジスタと定電流ダイオードを使った定電流回路により、充電初期で約1.8A、充電終期で約1.5Aの電流が流れます。この定数で20~30Ah程度の蓄電池に対応します。他の容量の場合は、適切な電流になるよう定電流ダイオードを変更します。

定電流回路をスイッチで短絡すると、ACアダプターが供給可能な限りの電流を流す「急速充電」ができます(ただし、これでは満充電になりません)。3.2AのACアダプタで最大4.3Aほど出せます。放熱が不十分な状態ではACアダプターが焼損することがあるので、ACアダプタは放熱グリスを塗ってシャーシに密着させるか、放熱器を針金で巻きつけて固定する必要があります。

調整は、満充電から少し使用した蓄電池に充電し、電圧が15Vに上がると同時にリレーが動作するよう半固定抵抗を設定します。残容量の小さい蓄電池では電圧が上がるまで時間がかかり、満充電に近い蓄電池では一瞬で15Vを超えるので、調整には使えません。

最初の試作品は、抵抗や整流用ダイオードを直列にして電圧を下げていました。これでは定電圧電源と同じなので、充電が進むにつれて充電電流が小さくなり、満充電までに時間がかかります。この欠点を解消するため、トランジスタと定電流ダイオードを使った回路に落ち着きました。

この充電器では短時間で確実に満充電できます。28Ahのバッテリー満充電で50W CWで連続運用すると、3時間くらいはフルパワーが出せます。移動運用の帰りに充電しておくと、帰宅する頃には充電が終わっていることも多いです。ただし燃費は悪化します。

大移動の時は、故障すると困るので同じ物を2台持っていきます。つまり2台作りました。デジタル電圧計を使って小型化した3台目を製作中です。無線専用充電器として発売したら売れそうです Hi

【追記】図のように、急速充電で定電流回路をショートする配線では、充電電流が大きすぎてACアダプタの電流制限が働くこともあります。これを回避するには、スイッチOFFで定電流ダイオード1本、ONで2本並列になるように配線して、電流の上限を決めるのが有効です。

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コメント

これって熱海で見た物ですか。
1815はごろごろしているけど定電流ダイオードがないな。

投稿: KIC | 2010年9月29日 (水) 19:00

熱海に持っていった、というより、いつも持っているものです Hi
2SK30A-GRのゲートとソースを接続すると4mAの定電流ダイオードになります。

投稿: JO2ASQ | 2010年9月29日 (水) 19:17

FETで作るのね。
思い出しました。

投稿: KIC | 2010年9月30日 (木) 19:16

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