2011年4月8-10日 福島移動
福島で震災被害の現地調査を行うことになり、その終了後に移動運用を計画しました。目的は次の2つです。
- 「福島は放射能で危険」と誤解があり、移動運用がその解消に役立つと期待したため
- 「自粛をしないで普通に生活しよう」という呼びかけに賛同するため (注:節電等の目的が決まっている自粛とは異なります)
内陸部は、宿泊や観光施設の一部再開が確認できたので、それらの地域は運用予告を出しました。
道路の損傷が多く、橋が地面から浮き上がっています。橋に近付くと無意識にスピードダウンする習慣が付きました。
移動中はラジオ福島をワッチ。被災地支援の参考になる情報を数多く入手できました。
8日
南相馬市は、大型店のほとんどが休業、駅前に人通りがありません。津波以外での被害は比較的少なく、セブンイレブンと商店が元気に営業。報道で受けた印象とは違った感じでした。燃料不足と風評被害による物流停止が長期間続いていたようです。他県から来たと喜ばれる方もいました。
【12日追記】産経新聞に同じような記事があります
南相馬市と双葉郡浪江町では、7MHz CWなどを運用。集落から離れた人通りの無い場所で、モービルアンテナを使い、目立たないように運用しました。盗難の被害が多発しているため、盗難と間違えられない場所を選びました。
被災地で、どこまで復興したら移動運用を再開するか、真剣に考えている方もいらっしゃると思います。また、被災地では娯楽の再開について活発に議論されており、アマチュア無線も娯楽の一つと考えると、参考になる意見があります。
この運用から「生活が機能している地域で、安全を確保し、目立たないように移動運用を行う」という一つの判断基準を考えました。現地でお金を使うきっかけにもなります。
伊達市では携帯電話の動作がおかしくなり、前日の余震で不通の地域があるとラジオでの情報がありました。宿泊も伊達市。震災直後の温かい対応に見入っていました。
雨の中、丸1日の移動運用です。
福島市と二本松市は川の堤防で運用。二本松市の売店は、客が私1人だけ。この地域は被害が少なく、観光客を受け入れる準備ができています。しかし、お客さんが来ません。
安達郡大玉村はHFのCONDXが悪く、早々と撤収。本宮市は比較的新しい市で、ハイバンドのリクエストが集中すると予想。弱いながらもScが出て、それなりの成果でした。
郡山市は閉園中のカルチャーパーク駐車場脇から。珍しい市らしく、ハイバンドが好調。21MHzではJIDX CW参加のDXからも多く呼ばれました。須賀川市でもハイバンドの好調は持続。
岩瀬郡天栄村のVO-52はAOSを過ぎても聞こえず…SUB側のイヤホンジャックが抜けていました。大失敗。この辺りでは土砂崩れの被害が多く見られました。
宿泊は新白河駅前。新幹線は未開通にもかかわらず何組かのお客さんがいました。
10日
西白河郡西郷村と白河市で運用。白河市では、橋が浮き上がる被害が特に多く見られました。地質の違いでしょうか。屋外のテントで野菜を売っている店を見つけ、福島産の野菜を買って帰りました。
感想
福島県では、津波以外で倒壊した建物は少ないです。観光地も再開しつつあります。しかし「人が来ない」「物が売れない」のが現実。物資や義援金以外の支援も望んでいると思います。
謝辞
twitterで貴重なご意見を頂きましたym016氏に感謝いたします。twitterでは、説明不足で誤解を招く発言もあったと思います。お詫び申し上げます。
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コメント
私は福島県田村市出身です。県内の様子がよくわかりました。福島県は原発の問題で大きな負の遺産を抱えることになりました。やはり風評被害が最後まで残り復興までにはかなり長い年月がかかることと思います。ym016氏の意見もありますが、過度な自粛をせず普通の生活をすることが望まれていると思います。
投稿: 7K4BWY/6 | 2011年4月13日 (水) 08:23
自宅で生活している方々も、風評被害の影響で今後を心配しています。物資以外での支援が必要です。
自粛はしないで欲しいと現地の方々の声が聞けました。
投稿: JO2ASQ | 2011年4月16日 (土) 10:09