2017年11月5日 奄美3日目

午前中は今回のツアーの未運用町村の最後、瀬戸内町に移動しました。

奄美市の市街地から瀬戸内町までは40km以上の移動になります。奄美大島は各市町村間の距離が長く、移動距離だけを考えていると、8エリアを移動しているような気分になります。景色は全く違いますが…

移動距離を図にしました。

瀬戸内町の市街地も北側に山があり、サテライトの運用が困難な場所です。町の外れの海岸などに出れば北側が開けた場所はありますが、スマホが圏外になる可能性があることと、長時間の運用ではトイレがあると安心のため、事前に調べておいた海岸の公園の駐車場を利用しました。

天気は晴時々曇で、公園の駐車場は釣り客で混雑しており駐車スペースの確保が難しく、ダイポールアンテナでは通路をふさぐ形になるので、植え込みに車を横付けして、植え込みの中に逆L型アンテナを展開。ダイポールより性能は落ちますが、7～50MHzのダイポールと違って、逆Lでは1.9MHzと3.5MHzに出られる利点もあります。

サテライトはFO-29、XW-2A、AO-73の3連発。合間に3.5MHzを運用し、8時台に3局をログイン。7MHzは一時は凄いパイルになったものの、電離層の伸びが弱めで80局を過ぎた所で収束。その上のバンドも信号は弱い感じはしたものの、ノイズレベルが低いこともあって局数は意外に伸びていき、今回のシリーズで初めて18MHzが本格的にオープン、55局できました。28MHzまで移った所でちょうど昼休み時間。4時間以上の連続運用の後、再び長距離移動で、ハイバンドを運用していなかった龍郷町に移動しました。

龍郷町は1日目と同じ海岸の広い駐車場。強い北風を直接受ける場所になり、アンテナの設置に苦労しました。10MHzの96局は予想通り、そこから14MHzが意外に伸びて55局、ハイバンドはカスカスだったもの、7MHzが好調で99局できました。

奄美市ハイバンド再登板も考えたのですが、16時を過ぎてイオノグラムが薄くなり、ローバンドは早めに運用したほうが良いと判断、ローバンド未運用の大和村に向かいました。夜遅くにコンディションが悪くなって、ローバンドが聞こえない状態になると、打つ手がありません。

龍郷町から大和村へは奄美市の市街地を通るため、夕方の渋滞で時間がかかりました。アンテナ設置中に大粒の雨。

18時のXW-2Fの後、レアと思われる3.5MHzを投入すると猛烈なパイル、しかし猛烈なヘリコプターノイズと東南アジア系のSSBのQRMでSが+10dBまで振っており、ヘッドホンを使って聞いていると耳が痛くなります。そんな中、ヘリコプターノイズに変調された微弱信号を何とか解読。3.5MHzだけで1時間以上パイルが続きました。1.9MHzは一転してノイズが無く、1.9MHzであまり交信機会が無かった7エリアの局もこちらの受信は楽勝。

この場所はサテライトのMEL15°以下のパスは厳しいため、20°以上あったAO-73を運用し、1.9MHzのパイルが途切れた所で撤収。最後は奄美市の道端でCAS-4Bだけを運用して終了しました。

ハイライト

• コンディションは決して良くは無かったものの、常にどこかのバンドは開けた状態だった（枯れなかった）。3.5MHzのノイズは強烈だった。
• レンタカーの車体は古くて少しガタがあった。バッテリーの状態は良好。このパターンがベスト。
• レンタカーで連続50W出力するセット（電気の知識が無いと危険なため、内容は非公開）は順調で、トラブル無し。
• 整備された駐車場や空き地を基本的に利用したため、ハブなどとの遭遇は心配無かった。宇検村の運用場所だけは微妙だったかも。職質AJAは無し。
• 2012年の前回の移動と比べて、スマホの使用可能エリアが格段に広くなった。

ローライト

• 奄美市の運用場所のロケが悪く、サテライトの低いパスに出られなかった。市街地に近い山の上にある、あかざき公園は放送局の混変調がありローバンドの運用が出来ないため、それ以外で市街地に近い場所を探すのは厳しい。事前調査がもう少し必要だった。
• パイルになると収束するまでの時間が読めず、計画が立てにくい。龍郷町SATと奄美市7MHzは、もう少し出たかった。
• いつも通り、強風や雨に悩まされることが多かった。自分の車ならばロープを増やすなどの対応ができるが、レンタカー移動セットでは機材が限られているため、エレメントを木に引っ掛けて揺れなくしたり、ポールの段数を下げたりして対応した。
• 昼と夜の温度差があり、昼間に暑いと思って油断していると夜に雨が降って冷え込むこともあり、体調管理が難しかった。上着を持って行かなかったため現地調達しようかと考えましたが、奄美市の市街地以外では入手が難しいです。