無線機を連絡手段として使うには、何が良いか
無線機を連絡手段として使うには、何が良いか。
アマチュア無線以外にも、いくつかの選択肢があります。
私はアマチュア無線と特定小電力しか使用したことが無いため、経験が無い部分はインターネット上の技術情報による判断で、解説を試みました。
結論:アマチュア無線は「不特定の相手と交信したい明確な理由がある」場合に限られます。単なる連絡用として新規に利用することは、おすすめしません。
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用途別おすすめ(私の見解)
1. 屋外の近距離と通話したい→特定小電力トランシーバー
メリット:コストが最も安い、免許・登録が不要
デメリット:到達距離が短い
2. 遠距離と通話したい、屋外⇔屋内間で通話したい、車載で使いたい→デジタル簡易無線(免許局、登録局)
メリット:到達距離が長い、秘話機能がある
デメリット:免許または登録が必要
※デジタル簡易無線(免許局)と(登録局)の違いはこちらを参照ください
3. 相手局の位置を知りたい、登録の手間をかけたくない→デジタル小電力コミュニティ無線
メリット:位置情報が伝送できる、免許・登録が不要
デメリット:対応機種が少ない
4. 不特定の相手と交信したい明確な理由がある→アマチュア無線
メリット:到達距離が最も長い、不特定の相手との交信に適している
デメリット:免許取得に時間と費用がかかる、独特の慣習があり混乱を招く可能性が高い、初心者が活用するには相当の知識・指導が必要、業務利用ができない
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アマチュア無線のハンディートランシーバーは、近年では多機能化されて小型・軽量の新機種は少なくなっています。
表:アイコムの代表的ハンディートランシーバーにおけるサイズ・出力の比較
種類 | 上位機種 | 小型機種 |
特定小電力 |
55.5×102.5×27.3mm 142g 0.01W (IC-4110) |
47×81×26.5mm 120g 0.01W (IC-4300) |
デジタル簡易無線 |
56×92×29mm 243g 5W (IC-DPR7S) |
54.9×90.0×19.8mm 105g 1W (IC-DPR30) |
デジタル小電力コミュニティ無線 |
55×101.5×23.4mm 163g 0.5W (IC-DRC1MKII) |
(左に同じ) |
アマチュア無線 |
61.1×121.6×29.7mm 295g 5W (ID-52) |
58×95×25.4mm 220g 5W (ID-31PLUS) |
スマホは大型機でも200gを超える程度ですので、アマチュア無線機は「スマホより重い」です。
アマチュア無線のメリットを他に挙げるとすれば、車載機・固定機で最大出力50W(第三級アマチュア無線技士以上)・20W(第四級アマチュア無線技士)、アンテナが自由に選べる(高性能化できる)、といったところでしょうか。
「アマチュア無線は使えるチャンネル数が多く、ライセンスフリー無線は使えるチャンネル数が少ない」との意見があります。しかし、アマチュア無線は「カバーエリア内での運用局数が多い」「不法局・周波数独占をする局がいる」といった理由により、「チャンネル数が多い=使用の自由度が高い」とは言えないと思います。
アマチュア無線を社会貢献活動のために利用するには「不特定の相手と交信したい明確な理由がある」場合に限られ、単なる連絡用として新規に利用するには、デジタル簡易無線やデジタル小電力コミュニティ無線が適しているのではないでしょうか。
参考にしたサイト
- アイコム株式会社-ライセンスフリートランシーバーの活用シーン
- 総務省信越総合通信局-デジタル簡易無線(登録局)について
- ウェッジ株式会社-IC-DRC1 業界初!地域の通信に特価した地域コミュニティ無線
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